18-03;がん検診
肺がん検診
- 年間330万人。発見肺がんの割合は0.08%(10万人対80人)
- 発見されるI期肺がんの割合は10〜40%。
- 低線量CTによる肺がん年齢調整死亡率を20%以上低減したとの報告(1)。ただし40歳未満の肺がん検診は推奨されていない。被曝、疑陽性例の精査、ハイリスクの絞り込みなどの課題問題不安もある。
CT
- 従来のCTでは胸部X線の80倍の被ばく。その後低線量ヘリカルCTでは発見肺がんが増えるもののCTの画質が必ずしも良くなく要精検率が5〜23%と高く問題。高分解能CT(HRCT)で再検査へ。
- 多列のX線検出器を持つマルチスライスCTへ。要精検率は3%程度へ。X線被曝は胸部X線の6倍程度になるようになった(これは胃がん検診のバリウム検査程度)。
- 1192人の全身CT検査のデータでは、正常という結果を得たのはたった14%。1人の受診者あたり平均2.8件の異常値を指摘された。(肺または縦隔で42%、腹部骨盤部で69%)
大腸がん検診
- 70歳台から非治癒例が多い。60歳台の検査施行が有効と思われた。
- ロンドンのインペリアルカレッジのグループが、55〜64歳時に下部結腸と直腸に対するS状結腸鏡検査を1回施行すると、結腸直腸がんの罹患率を33%、死亡率を43%減らすことが可能と(2)。
- 有病率は男性40歳で0.03%(便潜血陽性者からは0.63%)。男性70歳で0.4%(便潜血陽性者からは8.5%)。
便潜血検査
胃がん検診
- バリウムによる検査では約10%が精密検査に回る。
- 現在の胃がん検診の癌発見率は約0.088%、年間11万人発生する胃がん患者のうち約5500人にとどまる(2013総説)。
参照
(1)N Engl J Med 365:395,2011
(2)Lancet 375 1624,2010